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全国医学部長病院長会議が「現在進んでいる卒前医学教育改革と新専門医制度の導入を踏まえ、 現行の新医師臨床研修制度を基本骨格から改革し、医師の生涯教育の 仕組みを新たに構築するよう要望」(2015.12.25)

全国医学部長病院長会議は、昨年末(2015.12.25付)に要望書:現在進んでいる卒前医学教育改革と新専門医制度の導入を踏まえ、現行の新医師臨床研修制度を基本骨格から改革し、医師の生涯教育の仕組みを新たに構築するよう要望いたします。を厚生労働省、文部科学省に提出しました。

 

現在初期研修の見直しが進められていることへの圧力として、ゼロベースの見直しを対置した提言です。

 

この提言に先立つ2015年12月02日には、医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言-求められているのは医学部新設ではない-を日本医師会と合同記者会見で発表、さらに医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言-求められているのは医学部新設ではない-全国医学部長病院長会議による補遺「医学教育改革」も発表されています。どちらの提言も、現在の医療崩壊ともいえる事態の原因を、日本の医師養成数の絶対的不足にではなく、診療科や地域偏在に求め、出身大学のある地域での卒後研修の義務化など統制的手法の強化によって解消しようとするものです。

 

年末の要望書は、先の提言と同じ流れの要望書であり、厚労省や文科省に、医学部教育も含めゼロベースでの見直しを要望することによって、現在の初期臨床制度の前進点を否定し、大学に研修医や専攻医を取り戻し、従来の大学医局等の機能の復活を目指す意図が露骨に見え隠れするものです。

 

掲載日:2016年1月13日/更新日:2023年3月27日

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