水俣病は、まだ終わっていない

2014年秋

不知火海沿岸地域で大検診を実施


水俣病の公式確認から50年あまり。私たち民医連は長年、水俣病被害者の治療、検診、相談活動、水俣病認定申請の援助、裁判の支援などを行ってきました。

水俣病に苦しむ方は、まだまだたくさんいます。そして、自分が水俣病だと気づかず、今まで原因不明の症状に悩まされている方もたくさんいます。また、差別や偏見などを恐れ、きちんと調べてこなかった方もいます。

民医連は、そうした被害者を掘り起こすために2009年、2011年と水俣大検診をおこない、特措法の制定による被害者救済をすすめる取り組みを進めてきました。そうしたたたかいの中で「水俣病被害者の救済および水俣病問題の解決に関する特別措置法」が成立し、被害者救済は一定前進しました。しかし環境省は、多くの反対の声を無視し、2012年7月に特措法による水俣病の被害申請を締めきりました。

現在も、特措法の申請が認められなかった人や、様々な事情で申請できなかった人たち、また不知火海沿岸であっても申請の要件を満たさない地域に居住した人たちや、中山間地域など行商ルートで汚染された魚を食べ続けた人たちなど、未救済の水俣病の人たちが大量に残されているのが現状です。

水俣病の被害を埋もれさせないために、熊本県民医連の関わる『水俣病検診実行委員会』は、2014年秋、不知火海沿岸地域の6会場で、550名規模の検診をおこない、裁判所に提出する診断書の作成をおこないます。民医連もこの検診を成功させるため、医師をはじめとする全国からの支援をおこなうことを決めています。
民医連内外の多くの医師、医学生、医療関係のみなさんのご協力をお願いします。




水俣大検診(問診作成会)


日時 2014年10月18日(日)〜 2014年10月19日(日)
場所 熊本県水俣市、天草市
主催 水俣病検診実行委員会(実行委員長:藤野礼)
連絡先 各県連まで

2014年10月18日(土)から19日(日)にかけては、全国からの支援で、問診作成会を開催します。

全国の民医連から、事務系を始めとする職員がかけつけます。研修医、医学生もオリエンテーションをうけたうえで、問診作成にあたっていただくことができます。10月18日から19日の全日程に参加できることが条件になります。交通費などの扱いは各県ごとにことなりますので、ぜひ参加したいと考える医学生や研修医のみなさんは、各県連の医学生担当にご相談ください。

民医連以外の医師の方で、交通費など自己負担でも参加を希望されるかたがいらっしゃいましたら(宿泊は現地で負担できると思います)全日本民医連までご連絡ください。




水俣大検診(医師による検診)


日時 2014年11月23日(日)〜 2014年11月24日(月・祝)
場所 熊本県水俣市、天草市
主催 水俣病検診実行委員会(実行委員長:藤野礼)
連絡先 各県連まで

11月23日(日)から24日(月・祝)にかけては、検診をおこないます。こちらは初期研修を終えた医師が対象となります。全国の民医連から150名近い医師が駆けつけます。

神経内科を専門とされている方以外でも、当日、検診の内容についてはレクチャーもありますので、後期研修以降の医師なら検診参加は可能です。




水俣病についてさらに知りたい


民医連が発行している医学生向けの情報誌Medi-Wingでも、水俣の問題は何回か扱っています。46号の記事では、2009年の水俣検診を特集しています。


水俣病についてさらに知りたい方は、水俣市で日々水俣病の治療にあたっている、神経内科リハビリテーション協立クリニックのホームページをご覧下さい。
http://www.kyouritsu-cl.com/

メディウイング
※画像をクリックすると見られます。


YouTubeの全日本民医連動画のページには、2012年7月18日水俣病特措法申請締切をめぐる環境省交渉 、2012年6月27日不知火海沿岸住民健康調査記者会見の動画もアップされていますのでご覧ください。

2012年6月27日 水俣協立病院での記者会見のニュース

2012年7月18日水俣病特措法申請締切をめぐる環境省交渉



また、昔、水俣協立病院に2カ月ほど支援に行った天谷静雄医師(栃木民医連)が、自身の体験を子ども向けにまとめたものもあります。水俣病とは何か、やさしく書かれています。



【復刻版】『子どもに語る水俣のはなし』
※画像をクリックするとPDF(1.5MB)が見られます。