福岡・佐賀民医連 医学生フィールドワーク開催!!
2025年3月4日~6日
県連医学生フィールドワークを開催しました。
福岡民医連奨学生5名と、職員2名が参加しました。
今年度の県連フィールドワークは「四大公害」の一つである東海地方三重県の「四日市ぜんそく」を学びました。
「四日市ぜんそく」とは1950年代に三重県の四日市港にある三井、三菱、住友などの石油大企業が化学コンビナート(石油精製からプラスチック作成など加工製品等一貫して作成する工業地帯)を組織し噴煙を「噴出し放題」で近隣住民に喘息などの多大な被害を与えた公害です。9人の原告が大企業を被告として裁判を起こし短期間で勝訴しました。その後の水俣病、新潟水俣病、富山県イタイイタイ病裁判の先例となりました。民医連では津生協診療所など診療、支援を行った歴史があります。 実行委員会にて「公害を学びたい」という要求のもと計画・実行しました。
県連フィールドワーク実行委員会では5回実行委員会行い、参加者は学習動画視聴など事前学習も行いました。公害未認定患者問題、呼吸器疾患の薬が効かず自死する方が多くおられたとのことでSGDでの「民医連医師になった時に自分はどうするか」のテーマで議論しました。
1日目「四日市公害と環境未来館」参加者の感想
★特に印象に残っているのは、小学校の教室に空気清浄機があったことです。当時の状況を目の当たりにし、子供達までも辛い思いをしていたことを知り、悲惨さを痛感しました。
★中高生の時には名前や原因物質のみの知識だったのが、時間軸に沿った詳細な実態や実際に公害の影響を受けた周辺の児童の生活の生活をパネルや被害者のビデオなどを通して学ぶことができました。
2日目「四日市ぜんそくの裁判闘争について」学ぶ
原告代理を勝利判決まで務められた内河弁護士に当時の裁判闘争について講演して頂きました。
内河弁護士は弁護士登録して1年目に原告の代理人として活動されました。現在も活躍されている唯一人の方です。
裁判に携わった経緯からご自身が現在請け負っている「生活保護費減額違憲訴訟」「新幹線騒音訴訟」などなどまで自身の弁護士人生を形作った「原点」のたたかいと述べつつ未来の教訓としてお話をされました。
歴史的に見ても珍しい裁判であり、公害裁判のはしりとしてのきびしさ、やり甲斐についても語られました。
【2日目内河弁護士講演 参加者の感想】
★今までは、医師の方の講演を聞くことが多かったので、弁護士の方の講演を聞いたのは初めてでした。私自身は、法律や裁判について全く知識がないので、その専門家である弁護士の方の話を聞くということは、四日市ぜんそくについて違った視点から考えるということでした。SGDを通して、四日市ぜんそくだけでなく、公害全体やその他の環境問題、健康問題についても考えることができ、医学生としての視野が広がったと思います。
★四日市ぜんそくの裁判に参加されていた弁護士の先生のご講演を聞き、1日目の環境未来館で知った裁判の情報をさらに詳しく掘り下げることができました。
【全体を通して参加者の感想】
★今回初めてお会いした方もいましたが、FW中にたくさんお話しすることができ、また自分のコミュニケーション能力を鍛えることができました。充実した学習プログラムや思いっきり楽しむ日があり、とても内容の濃い三日間でした。
★四日市喘息に対し、個人ではなく医師や弁護士の方など様々な人が関わって、裁判の勝利に繋がったのだと思いました。現在では全く煤煙などの様子や汚染がなく、企業の改善を感じました。
★公害についての理解を深めることが出来ました。公害は、疾患が伴うことが多いため、医師になる上で理解しておかなければならない問題だと思います。そのため、今後は他の公害についても勉強していきたいと思いました。奨学生のみんなともより、仲を深めることが出来ました。
学業、バイト、部活に忙しくしている医学生たち。
そんな医学生のサポートや社会問題などについて今後も少しでもマインドに着火できるように奮闘していきます!
掲載日:2025年3月23日/更新日:2025年3月23日