戦争法の廃止を求める2000万人署名 医系学生特別号 2016 SPRING
戦争No! 平和・民主主義Yes!
戦争法廃止 2000万人署名やってます
「民主主義ってなんだ」 「これだ!」(SEALDs)
憲法はそもそも国民の義務をさだめたものではない。国民が権力者による恣意的な政治を禁じ、その手をしばるためのものだ。昨年秋、多くの学者が戦争法の違憲性を指摘した。空前の規模の人々が国会前を埋めつくした。
国会を取り巻いたSEALDsの学生たちは、「民主主義ってなんだ!」「これだ!」と叫んだが、その声は安倍さんには届かなかった。この国の民主主義は危機に瀕している。法律が成立した今、民主主義を取り戻すFirst Actionは、戦争法を廃止することだ。
「覚えておくといい、理想主義者とは人類の進歩における現実主義者なのだ」(マイケル・マーモット世界医師会会長が紹介した言葉)
「憲法9条まもれとか社会を変えようとかって、結局理想主義じゃない?」「デモや署名で社会は変わらない」と思う人も多いと思う。そうした人は、世界医師会のマイケル・マーモット氏が会長就任の挨拶のなかで紹介しているこの言葉(注*)を噛みしめてみてほしい。
慶應大学の小熊英二さんは『社会を変えるには』(講談社現代新書)の中で、社会を変えるには、「自分が変わること。自分が動くこと。他人とともに社会を作ること」と語っている。
「私たちが、究極的に守りたいものは天から与えられためいめいの命です」(日野原重明医師)
戦争法は、日本という国が、海外で一人も殺したことのない国から、戦争をする国へと変わっていくことだ。今年105歳になる日野原重明医師(聖路加国際病院)は、戦争法案の成立を前にした昨年7月、法案に反対する医療関係者のつどいに次のようなメッセージを寄せた。「人のいのちの重要性は、医師が一番よく知っています。医師こそ平和の最前線に立って、行動すべきと私は考えています」と。医学・医療を学ぶ私たちだからこそ「医師・医療者の使命」を考え、自分自身の、主権者としてのActionに踏み出すことが必要ではないか。
(注*)健康の社会的決定要因(Social determinants of health: The solid facts)などを提唱してきたマイケル・マーモット氏が世界医師会会長に就任した際の演説はこちらのPDFで日本語訳を読むことができます。健康の社会的決定要因など、命の格差をなくす医師の使命にもふれています。
医学生・看護学生からのメッセージ
千葉大学医学部医学科6年
小林哲之さん
~医療者の信念と正義に従って~
僕が大学1年生の時、大震災が起きました。ボランティア活動を通じて、暮らしや仕事が健康に与える影響を学びました。行政や社会に働きかける事も、大きく見れば医療者の使命の一つであると感じ、その頃から様々な社会問題を医療者の視点から考えるようになりました。
「自衛隊員」という職業は健康にいいのだろうか?ふとそう思ったのがきっかけで、戦争や安全保障について医療者として言えることはないか考えるようになりました。彼らは命令を拒否できません。それが死のリスクを伴う戦闘行為であってもです。この職業の健康を守るためには、他の誰かが政治に訴えなければならないのです。
僕は安全保障の専門家ではありません。しかし安保法制は専門家も厳しく批判する内容であり、与党の独善的判断で可決されたことは明らかです(強行採決の瞬間がYoutubeに上がっていますのでご覧ください)。僕は医療者の信念と正義に従って、堂々と発言しようと思います。皆さんも一緒に声をあげませんか。
看護学生ミーティングでの学びから
~「戦争法廃止」を真剣に考える機会に~
山梨看護学生ミーティング
看護学生の集まりで“戦争と平和を学ぶ”をテーマに憲法の学習と、昨年夏にNHKで放映された「戦後70年記念番組」に投稿し取材を受けた方からの戦争体験をお聴きました。 学生たちは衝撃を受け以下のような感想が出されました。
- ○今の生活に感謝をしなくてはいけない。この先、二度と戦争を起こさないために、社会情勢を知り自分の考え・意見を持つことが必要であると感じた。
- ○戦争は何が何でもしてはいけないということがわかった。話を聞き実際起きたことを想像してみると言葉が出なかった。
- ○取材で初めて語ったことを聞いて(70年間家族にも話せなかった)、戦争の辛い思いは戦争中だけではなく一生続くものなのだと思うと心が痛かった。
今年から選挙権を持つことになる学生が社会の事実を知り「戦争法案廃止」に向けて真剣に考えました。
一緒に考えよう、医療と平和・民主主義