広島民医連|豪雨土砂災害「被災地の声」を行政に届けました(ご支援ありがとうございます)
広島民医連は10月2日、広島市へ広島豪雨土砂災害「被災地の声」を届けました。「被災地の声」は8月22日~9月28日まで全国支援を受けながら取り組んだ被災者の訪問活動で寄せられた切実な声です。広島民医連の藤原会長、花岡事務局長、西村次長が広島市役所へ出向き、「要望」としてまとめた文書と具体的な「声」を広島市へ手渡しました。広島市は、企画総務局秘書課主幹、企画総務局市民相談センター次長、主幹が応対しました。
秘書課の松嶋主幹は、「行政が拾えない貴重な声を届けて頂いたことに感謝したい。松井市長からは個別対応できるところは柔軟に対応するよう指示されている。要望は多岐にわたるが、すぐに解決すべき問題については担当部署で早急に対応し、長期的な課題に関しては文書で回答したい」と述べました。
藤原会長は、「1600軒を超える訪問で得られた切実な声なので広島市の支援活動に生かしていただきたい。民医連を信頼して寄せられた声だ。被災者は行政の対応に期待している。今後も訪問活動を続けるので随時、声を届けていきたい」と伝えました。
被災地の声をまとめると以下の通りになります。
広島民医連は、8月20日未明に発生した土砂災害の翌日から災害対策本部を立ち上げ、全国からの支援も受けながら、被災者の支援活動に取り組んできた。訪問行動では、被災者からの切実な声を聞かせていただいた。被災者は生活再建に向け見通しが持てず苦しんでいる。また、こころの問題も含め健康面へのケアも待たれている。砂防ダム建設の遅れや開発の規制緩和、災害当日の勧告の遅れなど、今回の災害は人災の側面が強い。「すべての被災者を元の生活に戻す」取り組みを行政の責任で早急に実施されるよう、以下強く要望する。
1.被災地では不衛生な状態が放置されている。感染症やアレルギー疾患などの発症の原因となるため、早急の改善を要望する。
①用水路の流れがないため悪臭が放たれている。早急に動物の死骸や土砂・瓦礫等の撤去を行い、もと
の流れを取り戻すこと。
②水道水が臭うという苦情がある。その要因を早急に明らかにして、改善すること。
③「公道に土ほこりが舞う。洗濯物が干せない。悪臭がする。」などの苦情がある。土ほこりは、眼・鼻・のど・気管などを刺激するため、気管支喘息発作や結膜炎や鼻炎等のアレルギー疾患の発症の要因になる。責任をもって改善して欲しい。
④ガス、水道などのライフラインの復旧を急ぐこと。
2.被災された方々の多くが精神的ストレスを抱えている。すべての方へのこころのケア、カウンセリングや治療を要望する。とりわけ子ども、高齢者のケアを重視すること。
3.災害に関連した疾患や傷病に対しては、医療費負担の無料を要望する。
今回の災害で不幸にして発生した傷病、また土ほこり等で惹起された関連する疾病に対しての治療等の医療費負担分を無料にすること。
4.被災者に対する減免制度などが各種あるが、住民には周知されていない。十分に活用できるようしっかり周知することを要望する。また高齢者や身体が不自由で、罹災証明ができない方に対しては、市の方から訪問を行い、罹災証明書が発行できるように、細やかな援助を要望する。
5.被災によって経済的困難に陥っている人がいる。相談窓口を設け、ひとり残らず生活再建に向かうよう行政が責任を負うこと。
6.個人の責任として放置されているが、実情に見合って、私有地等の土砂・瓦礫の除去に市が援助するよう要望する。
①被災地域には独居の高齢の方も少なくない。高齢のため田畑(農地)の泥出しが困難な箇所は、市が
援助して土砂・瓦礫の除去を行って欲しい。
②床下の泥出しや自宅(床上・床下)の消毒など、個人の責任で行うものであっても、業者に依頼した
場合はその実費負担分を市が負担して欲しい。
7.行政の対応が遅いとの声が多くある。復旧に関して、市や県の対応に地域差があるため、町内会内や町内会同士でいざこざが発生しているという問題がある。市と県は、時期と地域、内容等、具体的な復旧計画を住民に周知し、時間差があっても完全に復旧させることを地域住民に約束して欲しい。
また、線路わきの土砂の除去が手つかずになっている箇所がある。JRと交渉し、速やかに解決を図って欲しい。
8.住民からいくつかの修繕等の要望がある。早急に対応をお願いする。
①家屋の修繕やブロック塀等の修理は、本来個人の責任で行うということであるが、県市が負担するこ
と。
②全壊、半壊、すべての家屋の建て替えについても全額補償すること。
③公的な色合いの強い墓地に関しては市の負担で修繕、整備すること。
④私有地外で、山(所有者は不明)にある岩の撤去を速やかに行うこと。
⑤これまでのように明るい街の復旧をお願いしたい。街灯を設置して欲しい。
⑥安心して住み続けられる街にしていくためにも、堰や砂防ダムなどの安全性の調査や地盤の調査をし、
砂防ダムの建設を急ぐこと。
⑦治水計画を示し、早急に雨対策を行うこと。
9.避難指示、勧告に関して要望や苦情がある。日頃から、地域住民に避難場所を周知するよう要望する。避難指示を出してから、あるいは災害発生時の初動に関しては、改善するよう要望する。
8月20日に発生した豪雨災害におきましては、全国のみなさまか
この間、全国から36県連1632名の支援者の力を借りて、被災
被災地では、がれきの撤去等、まだまだ支援が必要ですが、広島民
全国のみなさまには多くの支援をいただき、本当にありがとうござ
今後とも宜しくお願い致します。
掲載日:2014年10月8日/更新日:2014年10月8日