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2021年4月8日に新入医師オリエンテーションがオンライン開催されました

新しい仲間迎え いよいよ研修スタート

 

4月8日、全日本民医連新入医師オリエンテーションがオンラインで開催されました。昨年はコロナ禍で中止になり、2年ぶりの開催。全国の新入医師188人が参加し、民医連の新しい仲間としてスタートを切りました。

開会にあたり全日本民医連会長の増田剛さんがあいさつ。コロナ禍の世界で起こっているさまざまな問題に触れ、「私たちは歴史の転換点にいる。コロナ禍で社会的格差がいのちの格差につながっていると明らかになった」と指摘。

医師の社会的責任に言及し、世界各地で医療関係者が政治や社会を変えようと運動していることを紹介しました。「社会に働きかけなくては守れないいのちがあり、それを実践してきたのが民医連の歴史。みなさんの参加で民医連の医療活動・運動が発展することを期待します」と呼びかけました。

全日本民医連会長 増田剛医師

群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春さんが記念公演。研修医が担当した症例から、SDHの視点とそこに働きかけることの重要性を解説。聖路加国際病院での日野原重明さんとのエピソードやIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の活動に触れ、医師の社会的責任として反核平和運動の重要性を強調しました。シネメディケイション(映画で医療を学ぶこと)として「赤ひげ」が研修医のポートレートだと紹介しました。

群星沖縄臨床研修センター長 徳田安春医師

■先輩からメッセージ。

宮城・坂総合病院の小林千紗さん(3年目)は研修1カ月目に受け持った患者の事例から、「忙しくても実際の患者に会いにいくことの重要性に気づいた」と自身の経験からくる教訓を語りました。

大阪・耳原総合病院の坂本祥大さん(4年目)は初期研修の目標とは「無事に研修終了を迎えること」とし、自身の経験やリタイアした同級生のことも紹介。つらい時に無理せず、最後までやりとげることが重要だと話しました。

島根・松江生協病院の間口太公さんは初期研修で「病気の治療だけでは患者の願いに応えられないことを知った」と言います。「知識や技術はあとから学べる。〝人と向き合うこと〟が初期研修で学ぶ一番大切」と強調しました。

司会の利根中央病院 鈴木諭医師

看護師からのメッセージとして福岡医療団の河本真理さんが発言。「民医連は多職種共同のチーム医療を実践して学べる」と言い、他職種と気軽に相談できる関係をつくってほしいと呼びかけました。東日本大震災での民医連の活動にも触れ、「いのちの平等の視点を持った医師になってほしい」と期待を寄せました。

指導医の立場から愛媛・新居浜協立病院の谷本浩二さんがレクチャー。参加者への質問も交えつつ、実際の症例から診断学について解説しました。またカルテの書き方や上司とのつきあい方など、研修に向けて具体的に必要なことも話しました。

全日本民医連副会長の大島民旗さんが閉会のあいさつ。実際の現場に出れば、病気の診断や治療以外のさまざまなことが求められると言い、「社会人になっていきなり大きな責任を任されるが、同期や周りのスタッフとも連携して良い医師になってほしい」と呼びかけました。「私たちも支えていくので、それぞれの土地でこれからいっしょにがんばっていきましょう」と締めくくりました。

全日本民医連副会長 大島民旗医師

掲載日:2021年6月16日/更新日:2023年3月27日

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