日医総研 日医総研ワーキングペーパーに「医学生のキャリア意識に関する調査」が報告されています
日医総研 日医総研ワーキングペーパーに「医学生のキャリア意識に関する調査」が報告されています。坂口一樹さんによる研究。
ホームページには、ペーパーの概要として以下の様なまとめが紹介されています。
医学生たちの診療科の選択を含めた現時点でのキャリア意識の実態把握を目的とし、 医学部医学科の学生を対象にアンケート調査を行った(n=1,309)。 医学部での学習と将来のキャリアについては、大部分の医学生が肯定的に捉えてい る。気になる点としては、医学部における授業・実習の内容へ満足している割合が 比較的低いことである。 自分自身の視野・世界が狭いと感じている医学生の割合は、全体の3分の2弱、ま た、医学・医療系以外の友人・知人との交流や医学・医療系以外の読書の機会をそ れなりに持っている医学生はともに約半数だった。視野・世界観の狭さを自覚して いる医学生は比較的多い。彼らの視野を広げる支援を行うことも、医学生教育にお ける課題のひとつとなろう。 診療科の選択について、「初めから決めている」と回答した医学生は全体の14.4%、 将来医師となる医学生の約85%超は、医学教育の過程(含、初期臨床研修制度)で、 自身が専門とする診療科を決めている。また、世間で深刻な不足が叫ばれている診 療科(産科や小児科、救急科、麻酔科、そして外科全般)を志望する医学生の割合 が、必ずしも比較的少数というわけではない。 将来、所属大学(の医局)で働くことを積極的に考えている医学生の割合は全体の 3分の1強にとどまり、消極的に考えている割合(47.0%)を大きく下回る。学位 (医学博士)の習得については、積極的な割合が37.8%、どちらとも決めかねてい る割合が32.6%、消極的な割合が28.4%と3分されている。また、将来の留学願望 は、積極的な回答の割合が5割を超えており、留学に消極的な回答の割合(23.8%) を大きく上回っている。 へき地・離島の医療に従事する意思について、「従事したい」と積極的な割合は 5.7%にとどまるが、「興味はある」(26.6%)、「期間限定で従事しても良い」 (34. 6%)を加えると、3分の2を超える(66.9%)医学生がへき地・離島での 医療従事に前向きである。
掲載日:2015年5月7日/更新日:2015年5月7日