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ドクターズ・デモンストレーション・シンポジウム 医師不足・医療崩壊 「働き方改革」でどうなる!?~あなたの命は守られますか?~が開催されました

10月27日土曜日に駿河記念館でドクターズ・デモンストレーション・シンポジウム 医師不足・医療崩壊「働き方改革」でどうなる!?~あなたの命は守られますか?~が開催されました。

現在厚労省は医師の働き方改革に関する検討会を開催しており、来年3月末までに結論を出す予定としています。今回のシンポジウムではそれぞれの団体から意見が出されました。

まず、医師の長時間労働には背景に医療費抑制策と医療費亡国論があるとの指摘がありました。以下にそれぞれ意見の抜粋です。

・日本の医師数はOECD平均の3割少ない状態で世界最高水準のパフォーマンスを出している。厚生労働省は人口減の最悪のシナリオに合わせた医師数を推計するのはおかしいのではないか。働き方改革をこのまま進めると医療供給体制を縮小していくしかなくなる。

・医師の需要と供給では2040年までは65才以上の高齢者は増え続け75才以上の後期高齢者は2025年がピークになる。厚生労働省の推計では週60時間労働(過労死ライン)を基準にすると2028年で均衡がとれるという事になっている、週55時間だと2033年で均衡がとれる。医師の供給体制を減らすという議論が始まっている。医師の働き方改革については質の確保をして進めていく必要があると考える。

・会員病院から働き方改革緊急アンケートをとったが働き方改革を進めた場合、医師の増員がなくては救急体制は維持できないと答えた病院が半数以上になっている。200床以上以上の病院が維持できないと答えている割合が高く、全体の3割を占めた。常勤医が当直をしている病院は特に維持できないと答えている。また、当直を労働時間としていないところが多いが労働時間としているところは維持できないと答えている。医師の応召義務について関係を整理する必要がある。医師が一人で対応するには限界があるのでチームで診ることを進めていく。また、タスクシフティングも必要。自己研鑽についても医療の質を確保するために必要なことは認められるべきと考える。医師が増えるまで時間はかかるので労働時間の上限は検討してほしい。

・医師を増やさない、診療報酬も抑えたままでタスクシフティング、タスクシェアリングに頼った働き方改革では医療機能の一部が開業医にシフトされるだけではないか。医師増と診療報酬の引き上げが欠かせない。開業医は経営者なので働き方改革の対象ではないかもしれないが患者を入院から在宅へ、またかかりつけ医として24時間診療報酬「在宅療養支援診療所など」でしばっている。医科歯科ともに平均労働時間が過労死時間を超えている。必要な医師数が確保されるまで計画的な医師養成と診療報酬の拡充を求めたい。

司会 本田宏 (医療制度研究会副理事長)

シンポジスト

■ 原 義人 (全国自治体病院協議会副会長)
■ 美原 盤 (全日本病院協会副会長)  
■ 植山 直人(全国医師ユニオン代表)
■ 竹田 智雄(保団連理事)

 

*全日本民医連は、ドクターズデモンストレーション実行委員会の呼びかけ人に副会長の増田剛(埼玉協同病院院長)が加わっています。

 

残業100時間超の勤務医、病院の1割以上に 過労死白書https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3710096030102018CR0000/

 

2040年に向けて社会保障・働き方改革本部を設置  厚労省http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jmedj/nation/jmedj-20181022165247896

 

掲載日:2018年10月31日/更新日:2018年10月31日

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